第13章 強い人
ミホークは、別れを惜しむようにイリスの頭をいつもより長くなで回した
「ちょっ…ちょっとおじ様!! ……もぅ~!」
頬を膨らまして髪がグシャグシャになったと怒るイリスを見て、ミホークは小さく笑った
イリスが、飛んで行くのを見えなくなるまで見送ったミホークは、また暇になったな………とクリークの本船が消えた方角を見る
(多少の暇は潰れるだろう……)
イリスとの時間には劣るだろうが何もしないよりはマシだろうと、船を進めた
そして、行く先で出会ったのは、クリークよりも面白い奴ら………
それは麦わら帽子の少年と緑の髪の剣士……
久しく見ない強き者達…
「ねぇイリスちゃん…もうあの人見えないわよね?」
グレイスはキョロキョロと辺りを見回している
「うん、もうかなり飛んだからね~」
すると、すぅ~っと息を吸う音が聞こえて…
「いぃぃぃやぁぁぁアァァァ!!!」
「!!!?」
いきなりの金切り声に驚いてバランスを崩し、海に落ちそうになるイリス
「ちょっとグレイス!ビックリしたわね~!危ないじゃない!」
「それはこっちのセリフだわよー!!!!!!!!」
それから延々とミホークのおじ様がいかに凄い人物なのかを聞かされた…
鷹の目…七武海…世界最強の剣士…
グレイスが知る限りの逸話も話してくれた
「えぇ~全然見えないよ~?」
「あれは貴女限定の顔なのよ………」
私がどれだけ怖かったか……と、グレイスは深いため息をついた