第13章 強い人
グレイスの顔が引き吊っている…
(……?)
すっかり忘れてしまってたことを怒られると思っていたのに何だか拍子抜け……
取りあえずミホークのおじ様を紹介しなくては!!
「グレイス!こちらはジュラキュール・ミホークさん!海に落ちたところを助けてもらったのよ!?」
ほんとは海に落ちたのもおじ様が原因なんだけど……割愛…
「…………」
無言のグレイス……
(まだ黙ってる…どうしたんだろ…?)
心配になりそっちの船に移ろうとしたが、おじ様に手を掴まれ止められる
「初対面で緊張してるだけではないか?自慢では無いが俺の顔は怖いらしいからな…」
「ウフフッ…確かに!!威圧感も半端ないですよ!?」
二人でクスクス笑いあうが、グレイスの顔はまだ引き吊っていた…
(何これ…?あいつ確かに鷹の目よね!?)
世界一の大剣豪
七武海
世界政府も海軍上層部も一目置く最強の剣士
それが東の海でカワイイ女の子と談笑…
(笑えない……信じられないわ~)
一応グレイスも刀を持つ身なので彼の噂は耳にする…
しかし今、目の前にいる彼は、その噂とは全てが違っていた
「あの~イリスちゃん?彼が誰だか解ってるの?」
おずおずと口を開いたグレイスに答えるのは…
「ミホークのおじ様よ?剣士…かな?とっても強くて、優しい方よ?」
まるで解っていないノーテンキなイリスだった