第10章 初めての……
当然断るものだと皆が思っていたが、
「なんだサッチ?女奢ってくれるのか?悪いな!!ありがとよ!」
ニコリと笑って、サッチを見るイゾウに、まわりは不信な目をむける
「おいおい、お前にも決まったやつがいるんじゃないのかよい?」
マルコの言葉は周りを代弁していた
「ん~?今はそんなやつ いないぜ~!?」
イゾウは平然といい放つ
「じゃあ、今話してた相手は一体…」
(あんなにも女心がわかるのにどういう事だよい?)
周りの奴らも、訳が分からないといった顔をしている
皆の視線を受けイゾウが口を開く
「あぁ…あれは俺の母親のことさ」
新しいタバコに火を着けたイゾウは、ゆっくりと煙りを吐き出しそう答えた