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いつかの夢の続き

第4章 Episodes.錦戸:女好きにも理由がある






「なあ、なあって!!!」



後ろで喚くヤツは、

俺の肩を引っ張り
無理やり後ろへと振り向かせた。


怒った顔で俺を睨む彼に


バチンと平手で頬を殴った。





「どんだけのことさせとるんか、
おまえはわかっとんのか!」


「…そんなん知らへんわ」



きっとねーさんにとって、


彼らの昔話は痛いほど共感できるから
見て見ぬ振りなんか出来んはず




今回の騒動だって、



そうなかなか、
俺に頼ってこないねーさんか


お願いだって言ってきた。



ねーさんの周りが汚れるのなら、


どんな手を使ったって
助けたる覚悟がある


笑顔が消えるぐらいなら、
俺が犠牲になったっていい




だからこの男を助けたのは

ねーさんの、ためや。





「あんたの過去がどんなんか知らんし、
助けたんはねーさんから頼まれたからや
それ以上でも以下でもない。けど、
あんたは、分かってんのか」



「…は?」


「自分がズタズタにされたから、
いま好き放題してるみたいやけど、
それちゃうからな。
傷つけられたからって相手を傷つけていい
正当な理由には絶対にならへんのやで」





ほら、乗り。


彼を車に押し込んで
運転手に行き先を告げて発車させた。





苦しい。




あの日の時を想うと苦しくなる。







「さて。あの女の始末せな」





携帯を開いて番号を打つ。



いつか忘れられる日が来たって、


結局あの時のことは

過去の昔話にしかならないんだから










「あー、もしもし?」




それなら俺がねーさん守ったるわ。


死んでも





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