第4章 Episodes.錦戸:女好きにも理由がある
人は信じられへん。
信じようとしても裏切って、
傷つく姿を見て嘲笑っとるだけ
みんなそう。
やから、俺は、
「やから言うてるやろ。俺は悪くない」
慣れっこな事態に、
はぁ、と1つ憂鬱なため息。
目の前には泣きじゃくる女が、
しゃっくりしながら
再びヒステリックな声を出した。
『なによ!!可愛いって!
そう言って抱いたじゃないの!!!』
「あーうっさ、やからなんやねん」
だからなんやねん、
可愛い言うたから俺が悪いのか
別に好意を持たせる、
最大の理由にはならへんやろ
勝手に好きやと勘違いして、
可愛い1つで抱かせたんはお前や
それやのに、
自分のものにならんと
俺がすべて悪くなるんか。理不尽やな
ガラガラ、
開いて入って来たのはまた別の女
『ねえ亮、まだ終わんないの』
「しつこいねん、しゃーないやろ」
どいつもこいつも、
『私が片付けとくから帰ってていいよ』
「ほんま?さんきゅー」
軽い女ばっかりで吐き気する