第7章 Episodes二宮:自分が帰る居場所には。
「ねえ、ヤスくん」
「うん?腹減ったー?
なんかフロントに頼か〜!」
ここにメニュー表あんでぇ
とメニュー表を持って
楽しそうに眺めるヤスくん。
「私、辞めようと思う」
これとか美味しそうやな〜!
と、呟いたその数秒後。
ヤスくんは遅れて「え?」と聞き返した
「え。でも、辞めてどうするん
辞めたら家に連れ戻され…っ」
「いいの。私、ちゃんと知ったから
大切だって思えてもらえたんだから
それだけで充分!っていうか…」
「…ほんまにええの?
きっと後悔すんで」
「ヤスくんがいるから大丈夫だよ」
「へへへ」
そう、それでいい。
いいんだよね
あのまま続けていたって、
別に何もならないし
みんなのためになんてならない。
「ねーさん!」
「…ん?」
「大丈夫やで。僕が守るから!
" あいつ "の元にはぜっったい行かせへん!」
ほら!と
メニュー表を手渡される。
「食うたら元気になる!!
俺は理事長に話つけとくからな!
なに食うか決めといてなぁー」
ヤスくんはそう言って
走って外の方へ出て行った。
Episodes.二宮和也 END