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いつかの夢の続き

第5章 Episodes櫻井:優しさの裏と表





パンッッ


響いた、頬を叩く音
セリナの頬が赤くなった


「最低。あんたも、レンも。
何考えてんの、ふざけないで!!!」

「見せつけてるのよ、ざまあみろって」


その言葉に萌乃は
更にまたイラ付きを見せた。

その視線が、ゆっくりレンに移る


「あんたもよレン。
信じてたのに。腹が立つ」

「も、えの…!!」

「触らないで!!!
どうせ金目当てなのね、あなた
信じられない。お父さんに報告する」

「萌乃!」

「セリナ、あなたもだから」



萌乃が走り去ったあと、

力なく座り込むレン


セリナもただ無表情で立ち尽くしていた


「ただ、遠ざけたかったのよ
翔さんを傷つける物なにもかもから
だってそうでしょう。翔さんを守って
私が居ないとボロボロになる…でしょう?」



そう言って向けられた瞳は、

ただ暗くて闇を帯びていて
瞬間、狂ってる、そう思った。




セリナは俺らの家族を狂わせた



萌乃はレンと別れ、
レンの家は権力により潰された


父さんはセリナの家を軽蔑し、
そして縁を切った。

母さんの会社は、利益が減り
頭を悩ませていた



俺への風当たりは強くなっていた。




父さんはもう一度、

前以上の財産を手に入れようと
俺に様々な家の令嬢を寄越した。


女の子達も喜んで俺に引っ付いた


父さんの機嫌のために、
女の子と寝なきゃいけない日があった



死にそうだった。


本当の自分が居なくなりそうだった






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