第4章 木漏れ日
見張りを仕事とする忍びが
寝静まるときをはかって、
男の子の思いが強くなる方角に走った。
私はきっとこの子の思いを伝えなくっちゃいけないの
小さい村についた私は
更に思いが強まる場所であろう家につき
ノックをした
目の前に現れた女性は目のしたに大きな隈をつくり
どの寸前で倒れてもおかしくないくらいふらついていた
「どなた・・・です?」
「夜分遅くにすみません!いきなりで申し訳ないんですが
貴方の息子さんが大好きなママに伝えたいことがあるみたいなんです!」
「はい?!私の息子はここにはいないわ。もう帰ってこないの・・・」
その場所に座り込む母親
隣に突然姿を現す少年
お母親の背中を小さい手で撫でる
「知っています。私には見えているんです、先日息子さんと話をして・・・」
「え・・・」
そういって美鈴をみあげる母親
「あなた・・・天羽の御嬢さん?」
「?!・・・私は天羽ですが・・・なぜ・・・?」
「・・・きいたことがあるの祖父から、天羽の國の姫になるかたはそういった力があると。
天羽の姫は天女のように美しく、羽衣のように人をつつみこむことができるって・・・あなたは姫さまなんでしょ」
「え・・・そんなこと・・・」
どうして美鈴がそのように言い伝えられている
天羽家なのか驚きを隠せないでいた
「天羽の貴方の力を信じるわ・・・むすこはなんて・・・」
「貴方をずっと見守っていています。今も隣で。
一人で育ててくれた母親をまもるんだって。強い忍者になって、蓄えたお金でおいしいごはんを食べさせてあげるんだって。
最後でいいからぎゅっと抱きしめてほしいと」
私を見上げ母親はないた
「ゆうたあああああああ!もう、貴方は私の立派な息子で、ずっと守ってくれる忍者よ!」
といい、私を抱きしめた
きっとこの母親には私が息子さんにみえていたのだろう
私も母親の思いが伝わり、自然と涙がでてきた
「お姉ちゃんありがとう。僕、もう行くね。
僕はずっとママの見方だからね・・・」
少年はお母さんの耳もとでささやき
姿を消した
きっと私にできることってこういうことなんだな
なぜかどっと力が抜け
気を保てず
泣きながら、ほっとして倒れてしまった