第4章 木漏れ日
そうして私は
人に捨てられ
ここに暮らした
愛されることを捨て
関わることを捨て
こうやって力強くいきていた
そして
一人で森に暮らすようになって少し大人になったころ
突然小さい男の子が現れた
きっとこの姿はもうこの世にはいないんだと実感した
「お姉ちゃん?」
----うん
「僕ね、強い忍者になってね、ママたちをまもるんだ!おりゃ」
-----そっか、強い忍者にどうしてなりたいの?」
「えっとねー、ママは一人で僕をここまで育ててくれて、きっとママを守る人は僕しかいないの。だからぼくが・・・」
-----うん
「でもね、僕のことがさ、わからないみたいで。ずっと隣で話しかけてるのに、下ばっか向いて泣いてて、ごはんも食べないの」
--------うん
「だから、僕が強くなってさ、いっぱいお金もらって、おいしいものたくさんたべさせたいの!」
--------うん、うん、そうなんだね
美鈴は必死に話すこの少年を抱きしめた
「なに?お姉ちゃん・・・」
---------貴方はもうこの世にはいないの。だから、ママも大好きなあなたが隣にいても貴方をみれないの。
信じられないかもしれないけど、わたしはあなたを見れているけど、私には力があるから
「・・・僕・・・知ってるよ」
--------------?!
「僕全部しってる・・・でもね、きっといつかは僕を感じてくれるって信じてるの。一回だけ僕をぎゅってしてほしいの。僕はママのためになったんだよって」
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美鈴は男の子の気持ちがわかった
昔の自分もどんな親でも認めてほしくって
愛してほしくって求めたこともあったそれはかなわない願いでもあったと記憶している
きっとこの子はこの強い思いが原因で
深い記憶に閉じ込められているんだね