第9章 火花散る魂
タクミは赤面して黙ってしまっている。
それもそうだ、あんなにかっこつけてしまったのだから。
それに追い打ちをかけるように幸平はニヤニヤして声をかける。
幸平
「なぁ、おい。また会ったな。」
タクミは恥ずかしさが頂点に上り両手で顔を隠す始末。
タクミ
「うるさいっ!話しかけるな!!」
幸平
「どーした、ぺしゃんこにしねーの?」
タクミ
「話しかけるなって言ってるだろ!!」
そのやり取りに爆笑するイサミとその隣でタクミの可愛さ悶える雪乃
田所はどこか苦笑いをしていた。
雪乃
「イサミ、君の兄はどうしてあんなに可愛いんだ・・・!」
イサミ
「えっ。」
いきなりの雪乃の発言にイサミは笑いが止まった。
イサミ
「兄ちゃん、可愛いの・・・?かっこいいじゃなくて?」
雪乃
「あぁ、あれは愛玩天使だ。」
するとまた爆笑しだすイサミ
イサミ
「兄ちゃん!良かったね、天使だってさ!あはははは!!」
(あの兄ちゃんが恋愛対象に入って無いの?)
雪乃
「なっ!そ、そんな笑わなくてもいいだろ!!」
自分は変なことを言ったのかと恥ずかしくなり、少し赤面する雪乃を見て、イサミもつられて赤くなる。
イサミ
「天使は雪乃でしょー・・・。」
雪乃
「ん?何か言ったか?」
イサミの小さいつぶやきを聞き取れなかった雪乃はきき返したが返事は返ってこなかった。