第8章 アイデアの種
雪乃は久しぶりにその言葉きいた。
生まれた時から、どこに行ってもそう呼ばれ、扱われた。
この施設に来てからはもう二度と呼ばれないと安心していた。
でも、違った。
この時雪乃は自ら自分を化け物だと思ってしまった。
ショックすぎる出来事に泣けないでいた雪乃は心まで凍っているようだと言われ、この日、自分の居場所などない、気を緩めたら皆死んでしまう、と心に強く思ったのだった。
そしてこの事件後、存在の内容に扱われた雪乃は16才の誕生日に何も知らない四宮によって、その施設から連れ出されたのだった。
=回想end=