第7章 山を彩る衣
タクミ
「軽快さこそが、イタリア料理の持ち味ですから。」
雪乃
(鴨を捌く手間があったのにも関わらず、一時間以内に仕上げている・・・。さすがだ。)
タクミはできた料理を長椅子に座る乾に手渡す。
タクミ
「合鴨の香り焼き、緑のソースを添えて・・・ブエン・アッペティート!」
雪乃
(召し上がれ、か。イタリア語に少し体制が付いていて良かった。お兄ちゃんのおかげかな。)
乾は差し出されたお皿を受け取り、合鴨を口に運ぶ
乾
(野性味あふれる合鴨の香ばしさ、そして鼻に抜けるような清涼感が味の格調を高めている。雄々しさと気品が重低音となりお腹の奥まで響く・・・それはまるで・・・合鴨の歌うアリア!!・・・ああ、この鴨になら、抱かれたい・・・!!)
その様子を見ていた生徒たちは何かに気づいたのか、声を上げた。