第5章 摩擦と選良
涙目の僕を呆然と見つめるお兄ちゃん、いや、四宮シェフ。
すると急に声を出して笑った。
四宮「はははっ、まさか本当に今まで気づいてなかったなんて!」
会場にいる全員が呆然としていた
四宮「雪乃、とりあえずはそういうことだ。俺の正体がわかってよかったな。」
雪乃「なにもよくない!いや、よかった?のかな?」
混乱している僕を置いて話し続ける四宮シェフ。
四宮「まぁ、俺が何者だろうとオマエとの関係は何も変わらない。安心しろ。」
そうして差し出してきた手に安心し、その手を取ろうとしたら、何者かによって僕はお兄ちゃんから遠ざけられた。
?「ななな何してるんですか!変態!!」
えぇー!?お兄ちゃん変態にされた!?
僕を抱き寄せている女の方は先ほどまでステージ上で呆然としていた卒業生の一人だった。
?「これ以上はセクハラとみなします!!」
四宮「っ!ヒナコてめぇ・・・」
また先ほどのように黒いオーラを出すお兄ちゃんなど気にせず僕に向き直るその人は、長く黒い髪を横でまとめたかっぽうぎ姿の女性だった。