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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第5章 摩擦と選良



この学園では例年卒業までたどり着く者を数えるには片手で足りるといわれている。

その奇跡の勝利者が目の前にいるんだ。

と、驚くのは当たり前だ。

僕が一番驚いたのは・・・







そこに小次郎お兄ちゃんがいるってことだ・・・。






いやいやいや、なんで!?なんで、なにゆえ!?

僕が口をパクパクさせているのにも関わらず、お兄ちゃんは少し場の空気を嗅ぎ、口を開いた。

四宮「んー・・・前から9列目・・・眉の所に傷がある少年。」

そう言って僕の近くにいた幸平君に近づいてきた。

幸平「?」

当の幸平君は相変わらずの間抜け面できょとんとしている。

四宮「あ、悪い悪いその隣だ。」

生徒1「え?僕ですか?」

四宮「そうオマエ。」

生徒1「?」

四宮「退学。帰っていいぜ。」

いきなりの退学宣言にざわつく全生徒

始まった、お兄ちゃんの高すぎる意識

生徒1「な、なんでですか!?」

四宮「整髪料に柑橘系のにおいが混じってる。こいつは料理の香りを霞ませるんだよな。」

その男子生徒の目の前に来たお兄ちゃんは僕に気が付いていないようで、含むような笑い方で告げる。

四宮「おしゃれは必要だ。作る人間がダサいと料理に色気がなくなるからな。でも次からは無香料のヘア・キッドを選ぶといい。」

生徒1「ま、待ってください!何・・・退学!?たったこれだけのことで・・・!?」

その発言にお兄ちゃんは睨みを聞かせて喧嘩腰に放った。

四宮「たったこれだけの事で客を失うこともある。テメェ俺の店を潰す気か?」

生徒1「ひっ・・・」

完全威圧負けした生徒はその場に倒れこんだ。
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