第4章 恵の庭
雪乃「ただ、残念な事がひとつあるんだ。」
四宮「なんだ?なにかあったか?」
僕は少しためらいがちに言った。
雪乃「お兄ちゃんに会いにくくなった・・・。」
また返事がこなくなり、向う側からどすっと鈍い音が聞こえた。
雪乃「だ、大丈夫?」
四宮「大丈夫じゃない、いや、大丈夫だ。」
雪乃「え?あ、うん?」
四宮「気にするな。あ、あとその悩みはすぐに解決する。」
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冷静に戻るため壁に頭ぶつけてた人
雪乃「え!それってどういう?帰ってくるの!?」
四宮「まぁ、後のお楽しみだよ。」
ふくれる僕にお構いなしにそのまま話ははずみ、気づけば2時間ほどたっていた。
四宮「おっと、もうこんな時間か。日本だと深夜じゃないか?」
雪乃「うん、今はだいたい1時くらいかな。」
四宮「女の子がそんなに夜更かしするのはよくない。もう寝るんだ。」
雪乃「えー、あー、はーい。」
四宮「数日後に宿泊研修もあるし、気がぬけないしな?」
雪乃「うん、そうだね。」
あれ?僕お兄ちゃんに宿泊研修のこと話したっけ?
四宮「あぁ、最後に、体調だけは気をつけろ。お前は少し特殊なんだから。」
雪乃「わかってるよ。ちゃんと寮の部屋も氷点下にしてる。」
四宮「なら安心だ。それとお前は化け物じゃない。これから宿泊研修で多くの人間に会うだろうが、何言われてもこれだけは忘れるな。お前には俺がいる。な?雪乃。」
雪乃「うん。うん、ありがとう!!お兄ちゃん、大好きだ。それじゃあ、お休みなさい。」
四宮「あぁ、お休み。」
そうして僕は電話を切った。