第4章 恵の庭
そしてお昼を終えた僕らは収穫した野菜を食堂に運んだ。
すると伊武崎君が何かの紙の束を持ってきた。
伊武崎「これ・・・」
吉野「え、なになに?」
とすぐに周りのみんなが集まってきた。
吉野「ついに来たかぁ・・・」
伊武崎「あぁ、極星寮宛に届いてた。」
幸平「なんだこれ?」
僕もそれを見てみると・・・
雪乃「宿泊研修のしおり?」
そこには"友情とふれあいの宿泊研修"と大きく書かれたしおりがあった。
吉野「小学校や中学校でもあったしょ?何泊かする林間学校的なの。」
幸平「へー、この学校でもこういうちゃなんとした行事やるのかー。」
このとき僕は急に怖くなった。
なぜなら、僕は知らないからだ。
林間学校?なんだそれは。
何泊かする?ここから出るのか?
皆が知っていることを僕だけが知らない。
当たり前を、僕は知らないんだ。