第17章 誰も寝てはならぬ
吉野
「私の聞き間違いかな?午後6時だよね・・・?」
雪乃
「いや、完全に午前って言ってたよ。」
吉野
「ってことは・・・・寝てる場合じゃない!?」
堂島
「朝までの時間の使い方は自由。各厨房を開放するからそこで試作を行うもよし。部屋に戻り睡眠をとるもよしだ。では・・・明朝6時にまた会おう!解散!」
そして生徒たちは絶望した後、バタバタと移動しだした。
雪乃
(さて・・・と。幸平はタクミとイサミにつかまってるし・・・今のうちに厨房に・・・)
そう思って移動しようとしたら伊武崎に声をかけられた。
伊武崎
「なんか、料理にやる気出たみたいだね。」
雪乃
「うん、ブランクはある。でもやれるだけやることにしたんだ。僕はここの第一席を獲るよ。誰にも譲りはしない。」
伊武崎
「へぇ・・・それじゃあ俺のライバルだ。」
雪乃
「ふふふ・・・そうだね。改めて、よろしく伊武崎君。」
伊武崎
「名前で呼んでくれたらよろしくするよ。」
雪乃
「な、まえ?あぁ、俊、だっけ?」
伊武崎
「ん。正解。じゃあ、また明日ね。"氷の女王様"!」
そういって伊武崎はひらひらと手を振り去っていった。
雪乃
「え!なっ!それどこで!!」
(ったくアリスー!!)
不意打ちを食らった雪乃は厨房に向かう。
廊下に出るとそこには例のアリスと黒木場、そしてこの学園の女王様、薙切えりなとその秘書が対面して睨み合っていた。