第17章 誰も寝てはならぬ
怒りや悲しみ、さまざまな感情が一気にあふれ出た雪乃はもう周りが見えなくなっていた。
四宮
(雪乃・・・どんどん冷たくなっていく・・・腕がいてぇ・・・でも、ここで離すわけにはいかねぇんだ!!!)
すでに氷点下を下回る体温の雪乃を四宮は抱きしめ、離さなかった。
雪乃は自分の体温の変化に気づけず、四宮の腕の中で泣き、疲れ果て倒れるように眠りについた。
それを確認した四宮はそっと雪乃をベッドに寝せる。
その腕は真っ赤になっていて・・・
四宮
「うっ・・・いってぇ・・・」
(低温火傷か・・・痕残るか・・・?)
そう思いながらも優先するのは自分より雪乃。
洗面所でタオルを濡らして目が腫れないようにと、雪乃の目の上にそれを置いた。
四宮
(これで少しはよくなる・・・のか?)
そしてしばらくしてから一段落ついた四宮は雪乃の額にキスを落とし、眠りについたのだった。