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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第13章 存在の証明



当の本人、田所は何が起こったのか理解できず、ちょとんとしている。

田所
「いたい・・・」

やっと出た言葉はそれだった。

幸平
「昔実家で習った緊張をほぐす裏ワザだ!一人じゃできねーのが難点だけどな。」

にかっと笑う幸平を見て田所はやっと我に返った。

田所
(あ・・・震えが止まった・・・)

幸平
「まーとりあえずは落ち着いてさ、そんで何作るかじっくり考えろよ。」

田所
「で、でも・・・四宮シェフが作るのは本場で磨かれたフランス料理なんだよ・・・?それに勝てるものを作らなきゃ、創真君が退学に・・・」

幸平
「俺のおやじが言ってたぜ。料理ってのは"皿の上に自分の全部を載っけることだ"って。相手が何を作るか、そういうことはいったん忘れろ。」

田所
「で、でも・・・私なんかの料理じゃ・・・」

幸平
「寮で食ったお前のおにぎり、本当にうまかった。余計なことは考えんな。お前らしい料理を作りゃいい!!」

田所
(私らしい・・・料理・・・)

田所は自分が料理を始めたきっかけや家のことを思い出し、目に涙をためる。

そして挑発してくる四宮の言葉など耳に入れずレシピを考えた。

田所
「創真くんっ、あのね・・・」

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