第12章 卒業生たち
一方、雪乃は・・・
雪乃
「やばいやばい!やばいって!!」
アリス
「えー、大丈夫よ、ちょっとくらい。」
黒木場
「お嬢、これはさすがにまずい。」
アリス
「そう?」
雪乃
「このまま歩いてちゃ絶対午後の課題に遅刻する!!」
競歩で次の課題場所へと向かっていた。
雪乃
「あぁ!もう僕は走るぞ!!」
黒木場
「・・・・俺も。」
アリス
「あ!ちょっとふたりとも!!置いてかないでよ!!」
雪乃
「ったく!!リョウ!アリスをおぶって!!」
黒木場
「え、やだ。」
アリス
「まぁ!ひどいわ、リョウ君!!」
雪乃
「やだじゃない!あとで何かあげるから!」
黒木場
「・・・じゃあ、今晩俺の部屋来い。」
雪乃
「え!?」
黒木場
「・・・嫌ならいい。」
雪乃
「・・・っ!!わかった!分かったから、おぶれ!!」
アリス
「きゃっ!リョウ君ったら!!」
雪乃
「あからさまに嫌な顔しない!ほら、おぶったなら走るぞ、よーいどん!!!」
黒木場
(よーいどんって子供かよ・・・。)
そして雪乃と黒木場は全力疾走で次の課題の場所に向かった。
が、このとき次の時間まであと5分しかなかったため、三人は見事に遅刻したのだった。
担当の講師にこっぴどく怒られたのは言うまでもない。
それでも最高評価で合格してしまう三人はある意味嫌味ったらしかった。