第12章 卒業生たち
顔を上げると・・・
幸平
「お前たまに方言出るときあるよなー。」
といつもの間抜け面で笑う幸平がいた。
田所
「今言うことー!!?」
幸平
「ほら立ちなよ。課題の開始時間に遅れちまうぜー。」
幸平が手を差し伸べると田所はその手を取り、泣きながら立ち上がる。
田所
「創真くんにいつも助けてもらってるのに、こんなことに巻き込んじゃって・・・私、なんて謝ったらいいか・・・」
幸平は田所の言葉に優しく微笑み返す
幸平
「・・・別に俺が勝手にやったことだし、謝る必要ねーけど?それに・・・なんで挑んだかって?決まってんじゃん。」
田所は自分の手から離れ先を歩く幸平の背中を見る
田所
「え・・・?」
幸平
「田所はこんなところで落ちていい奴じゃないからだ。」
田所
「創真くん・・・」
そう言い切った幸平に元気をもらった田所はその背中を追いかけ、午後の課題へと向かった。