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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第12章 卒業生たち



一方、こんなことが起こっているなどまったく知らない雪乃は午前と午後の間の休憩時間、アリスと黒木場と共に午前に使った調理場に残っていた。

アリス
「もう!午前の課題が暇すぎて眠くなってしまったわ!」

雪乃
「結構時間長かったしな。道具、思ったより近場でそろったし。」

三人は各自ボールを持ってひたすら牛乳を泡立てる。

雪乃
「それにしても、アリスの使ったあのハイテク技術には驚かされたよ。」

アリス
「あら、ありがとう!私の得意分野なの。」

雪乃
「へぇ。あ、そろそろ良いんじゃないかな?」

このように会話をしながらのんびり作業をする。

作っている物はアイスだ。

あとは冷やすだけになったところで今まで黙っていた黒木場は急に眠たそうな声を出す。

黒木場
「ん。ボールの底、持って。」

そう言って雪乃に自分の持っていたボースを差し出す。

雪乃は何がしたいのか分からず、不思議そうに顔をかしげながら、言われた通りボールの底を持つ。

黒木場
「そのまま。」

そうつぶやいた黒木場は一度ボールから手を離し、腕につけていた黒い布を頭で結ぶ。

すると・・・

黒木場
「いっくぜぇえええ!落とすんじゃねぇぞ!」

急に荒っぽい性格になり勢いよく泡だて器でボールの中を混ぜだした。

雪乃
(・・・!?)

急な変化に驚く雪乃だったが、ボールが激しく揺れるためそれどころではない。

アリスは近くでクスクス笑い、そのまま時間は過ぎていった。

アイスは雪乃の体温によって冷凍庫を使うよりも早く固まったのだった。

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