第12章 卒業生たち
その後の事務室では・・・
乾
「美味しいじゃないですか!田所さんの作った品・・・!」
乾が田所の作ったテリーヌを食し、四宮の周りをうろつきながらいちゃもんをつけていた。
乾
「これなら合格にしてあげてもいいでしょー?四宮先輩の頑固者ー!頭でっかち!ナルシストー!」
四宮
「黙ってろ、ヒナコ」
散々言われた四宮はどすの利いた声でそれだけ言うと、乾の頭をわしづかみにしてギリギリと力を入れる。
痛みに耐えかねた乾はすぐにギブ
乾
「ごめんなさいぃぃぃぃ」
その声は濁っていた。
残った痛みに悶える乾を放置し、四宮は堂島に話しかける。
四宮
「堂島さん、この課題は俺に一任されてるはずだぜ。」
堂島
「もちろんだ、四宮。お前が定めた試験内容と判定基準に不満はないさ。だが・・・少なくとも彼女は状況に対応しようとしたんだろう?そのガッツには一考の余地があるとは思わないか?」
堂島の問いにそっぽを向く四宮
四宮
「思わないね。ちっとも思わない。」
その会話に懲りずに入ってくる乾は勇者だ((
乾
「私は余地あると思いまーす!」
元気に手をあげて入ってきた乾に同意する堂島
堂島
「む。なんとこれで同票だ・・・のっぴきならんな・・・」
四宮
(こいつら・・・!!)
そんな茶番のような会話を断ち、堂島は言う。
堂島
「非公式の食戟。俺が取り仕切ろう!言わば野地合いだな。」
幸平・田所・四宮はその提案に驚いた。