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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第11章 至上のルセット



そのころ、四宮の方は・・・

四宮
「失格・・・お疲れ!」

生徒1
「ぐっ・・・」

四宮
「よし、合格だ。」

幸平
(うし。)

四宮が合否を判定していた。

田所
「出来た・・・!!」

最後に完成した田所は四宮の元へテリーヌを渡す。
それを一口食べた四宮はため息をつき告げる。

四宮
「田所恵、退学だ。さ、これで全員提出したな?不合格者は荷物をまとめてホテルのロビーへ・・・」

頭が真っ白になった田所はか細い声で問う。

田所
「あ、あのぅ。どうして私の品・・・ダメなんでしょうか・・・?」

冷たく答える四宮

四宮
「痛み始めてるカリフラワーをゆでるときに"ワインビネガー”を使ったんだろ?漂白作用のある酢(ビネガー)できれいな色を保って下味にもすを使うことでカリフラワーの甘みを引き立てている。野菜の甘みと酢のかすかな酸味が絶妙にマッチした味になっているな。」

田所
「な・・・なのにどうして・・・」

疑問を浮かべる田所に呆れ顔で四宮は言った。

四宮
「誰がルセットを変えていいといった?このメニューは各野菜の甘みが作り上げるハーモニーを楽しむものだ。ルセットの中に"酸味を生かす"なんて文言が1か所でもあったか?お前が作ったのはもはや全く別の料理・・・課題に沿わない品を出せば当然失格。納得したか?」

呆然とする田所をそっちのけで声を出したのは幸平だった。

幸平
「納得いかないっすね!それは不可抗力ってやつでしょ!鮮度の落ち始めてる食材が混じってたんだから!大体俺らは先輩たちの従業員として扱われるわけでしょ。なら食材の管理の責任はトップである四宮先輩にあるはず。そこんとこ、"シェフ"として落ち度があるんじゃ・・・」

幸平の発言にひやひやする生徒たち

そして四宮は机を勢いよくたたき、言い放った。
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