第10章 過去の秘密
=雪乃side=
つい2年前のことだ。
施設にある一人の女性が来た。
僕に用があるといった。
僕は養子縁組の話だと思い、すかさず言った。
「僕はもうどこにもいかない!どんな家族の元へも行かないぞ!」
するとその女性は急に泣きだし、謝罪してきた。
「ごめんなさい、私が悪いの。ごめんなさい、ごめんなさい。」
何度も何度も謝る彼女に僕は驚いて、駆け寄った。
僕が近づいたことに気づいた彼女は僕の腕を引き、強く抱きしめてきた。
しばらくそのままだった。
そして落ち付いた彼女から告げられたんだ。
「私は貴方の生みの親を知っている。」と・・・