第3章 歓迎会という名の祭
?「ふ、ふふたりとも!目がこえぇだ。」
おどおどする彼女を見て幸平はにへらっと笑った
幸平「おぉ?そうだったかぁ?あ、そうだ。こいつは田所 恵ってんだ。」
雪乃「田所さんか、君とは仲良くなれそうだ。君とは、ね?」
幸平「あからさまに強調してくれてんな。」
座ったまま腕を組みながらにやにやと笑顔に影を落とす幸平に対し、僕も同じ姿勢になる。が、身長が足りないので立つ。
田所「も、もうやめるべさ!!」
ん?
雪乃「田所さん、君出身は?」
今までの空気がなかったかのように僕は田所さんに尋ねた。
田所「と、東北のほうだよ。」
それを聞いて僕はうれしく思った。
雪乃「あぁ、やっぱり!僕は北海道出身なんだ!」
田所「えぇ!近所だ!」
二人で和気あいあいとしていると、さっきのエプロンの人が料理をいくつか持ってきた。
?「お、盛り上がってるね!」
吉野「あ、一色先輩!」
?「君の部屋探しには苦労したよ。あ、つい先ほど通話管を君の部屋まで伸ばしておいたからね!」
雪乃「通話管?」
吉野「えぇ!?わざわざかわいそうに・・・。」
雪乃「なんだ?それは。」
?「各部屋につながってる通気口みたいなものよ。それを呼び鈴として使ってるのは一色先輩とふみ緒さんぐらいだけど。あ、ちなみに私、榊 涼子ね。」
雪乃「・・・めんどくさそうだな。」