第10章 過去の秘密
僕は病院に1週間滞在し、すぐに児童施設へと運ばれた。
そこは普通の子の集まる、普通の児童施設で、普通じゃない僕はすぐにいじめにあった。
いじめの発端はその施設の大人だった。
僕が初めてそこに行ったとき、その大人は僕をこう紹介した。
「今日からこの子は君たちの仲間だよー。病気で普通の人より体が冷たいんだー。でも気にしないで仲良くしてね。」
悪気はなかったのだろう。
大人が聞けば、何も問題のない自己紹介に聞こえる。
が、聞いたのは子供だ。
子供は病気と聞けば悪いイメージしかない。
そしてこうも思うだろう。
うつる、と・・・・
その施設の子供たちは僕が体温の低い病気をうつすと言って逃げ回り、仲間はずれにした。
僕はそれがとても悲しかったが、慣れてしまえばどうってことなかった。
そんなある日、僕には新しい家族ができた。