第10章 過去の秘密
しばらくして、雪乃が目を覚ました。
雪乃
「んっ・・・んぅ・・・。」
妙に色っぽい声を出す雪乃にドキリとした伊武崎だったが、すぐに冷静を取り戻す。
伊武崎
「やっと目が覚めた?」
ベッドの近くで布団にくるまり座る伊武崎をみた雪乃は上半身を起こし、目を丸くした。
雪乃
「えっ・・・部屋、温度を下げてくれたのか?」
伊武崎
「あぁ、そっちのほうが楽かと思って。」
雪乃
「そんな!おかげで僕はとても楽になった。が、伊武崎君が風邪をひいてしまう!」
伊武崎
「気にすんなって。俺これでも体強いほうだし。」
雪乃
「でも・・・!」
伊武崎
「で、体調の方は?」
雪乃
「え、あぁ、よくなったよ。もうめまいもない。」
伊武崎
「ん、それならよかった。何にそんなストレスためてんのか知らないけど、気を張りすぎなんじゃない?」
雪乃
「・・・・。」
伊武崎
「言いたくないなら別に・・・」
伊武崎の発言を遮るかのように雪乃は声を上げた。