第1章 終わりと始まりの巻
獣王山ー。
「ヒューマとガジュマが分かり合える何て絶対にないんだよ、」
霧が少し混じる青空を横たわりながら
藤色の髪を持つ少年ー…サレは虚ろな目をしそう誰にでもなく呟く。
チラリと自分の頭上に横たわる男を見る。彼は、仲間…と呼ぶほどは仲は良くないが、同僚でサレの所属する四星の一人、トーマ。最後に僕を裏切り、刺しゴミの様に返り討ちにあって死んで行ったバカな奴。
「心の強さ?…心のちから?フッ…ヘドが…でる、よ…
フッ、フフと掠れた声で笑う。
そして視線を戻し
サレは己の腹部に手を伸ばす
そこは生暖かく伸ばしていた手を
戻して見てみると真っ赤な血がべったりとついていた。
…もう、僕は死ぬのかなぁ…?
意識が薄れて行くなか、
ヴェィグ達の顔がふと頭に浮かんだ。
今ごろは、一番奥にいるジルバの元へ急いで居るであろう真っ直ぐな目をし、ガジュマとヒューマが共存できると疑わない蒼い髪の少年。
最後まで決して止めをさそうとせず、
生きろと言ったヴェィグの仲間達。
まったく、お人好しと言うか何と言うか…。
笑みを浮かべると咳と共に血が流れてきた。ああ…もう終わりかな。
「最…後、苦し…君…が見たか…たよ」
ヴェィグ…と目を閉じ静かに死をまつ。
しかし、そんな彼に待っていたのは…