第41章 最終節:第五訓
総悟の部屋の襖に手を掛けた時
中から話し声が聞こえたので咄嗟に襖をひく手を引っ込めた
この声は双葉さん?
こんな昼間に二人で何してるんだ?
と少し開いた襖から中の様子を伺う
双葉さんは襖に背を向け、その正面に総悟が向かい合って座っている
ってか何か二人の距離近くない⁉︎
ムムム
思わず襖に掛けた手に力がこもってしまい、ミシッと音を立てる
しまった!と慌てて手を離したが、総悟には気付かれてしまったようで一瞬視線が重なった
だが、総悟は俺には気付いてないという風に視線をすぐに双葉さんの方に戻した
何だよ総悟のやつ…!
さっさと用事を済ますべく襖を開け放とうとした時
「あの、沖田さん。私、初めて会ったあの日からお慕い申しております。どうか私とお付き合いして頂けませんか?」
えっ……、付き合うって……
双葉さんの言葉に頭がフリーズした
総悟はゆっくり双葉さんに手を伸ばしそっと頬に触れる
そして
「もちろんでさぁ」
総悟の言葉に俺の中で何かが弾けた
これ以上二人を見ていることが辛くてその場を離れたーー