第39章 最終節:第三訓
『俺、副長補佐官の坂田です。よろしく』
そう言って手を差し出せば、彼女は顔を上げ手を握り返してくれた
「私、言蔵双葉と申します」
えっ……っ⁉︎
俺は目を疑い言葉を失った
ニッコリ微笑む彼女の顔に見覚えがあったからだ
ミツバさん………?
俺の心中を察した総悟が言葉を続けた
「俺もはじめ見た時は驚きやした。だが、この人は言蔵双葉。名前も年も違いまさぁ。それに姉上はもう……しかし、こんなそっくりな奴がいるなんて驚きでさぁ」
『うん……そうだね…』
それ以上言葉を続けられなかった
屯所へ入っていく二人をただ呆然と見送りながらその場に立ち尽くした
ミツバさんはもういない………
総悟、今…何を思っているの………?ーー