第38章 最終節:第二訓
見回り中、団子屋で一休みしていると
外がやけに騒がしい
「おやじぃ、何かあったのかィ?」
「何かとりものみたいだよ」
残りの団子を口に入れ重い腰を上げた
仕方ねぇ、職務を全うするか
騒ぎの中心は一人の女と数人の攘夷浪士
女を取り囲み斬りかかる寸前だ
その中の一人が女目掛けて刀を振り上げた
カキン
金属の合わさる音が響く
「女一人によって集って刀振り回すたぁ物騒なこって」
危機一髪
女と攘夷浪士の間に滑り込み、振り下ろされた刀を受け止めた
「こ、こいつは真選組の一番隊隊長沖田総悟っ⁉︎」
「チッ、幕府の犬め‼︎」
「どうやらコイツ一人のようだな」
「この人数相手だ‼︎やれ‼︎」
攘夷浪士達が一斉に襲いかかるが瞬殺
真選組一番隊隊長の敵ではない
「なんでィ、もう終わりですかィ?」
パンパンと手を払い残りの攘夷浪士達の方を見る
攘夷浪士達は、くそっ、覚えてやがれ!とお決まりの捨て台詞を吐いて逃げ出した
「立てやすかィ?」
地べたに座り込んだままの女に手を差し出した
「あ、ありがとうございます」
「っ⁉︎アンタ………っ⁉︎」ーー