第17章 やっぱり祭は派手じゃねーとな
橋の上に編み笠で顔を隠した男が二人
「誰だ?」
「ククッ、ヅラァ相変わらず幕府から逃げ回ってるようだな」
「ヅラじゃない。桂だ。何で貴様がここにいる?幕府の追跡を逃れて京に身を潜めていると聞いたが」
「祭があるって聞いてよぉ。いてもたってもいられなくなって来ちまったよぉ」
「祭好きも大概にするがいい。貴様は俺以上に幕府から嫌われているんだ。死ぬぞ?」
「よもや天下の将軍様が参加する祭に参加しない訳にはいくまい」
「お前、なぜそれを…まさか⁉︎」
「ククッ、そんな大それたことするつもりはねぇよ。だが面白いだろうなぁ。祭の最中将軍の首が飛ぶようなことがあったら。幕府も世の中もひっくり返るぜぇ……それに、会いたいやつもいるしなぁ」
「のことか⁉︎よせ。には俺たちの記憶がないんだ」
「へぇ〜記憶がない?それは一体どういうことだヅラァ?」
「俺も直接会った訳ではないから詳しくは知らんが、は十年以降前の記憶がないらしい。自分の名前すら覚えてなかったとか」
そーか、と男は歩き出した
「だったらすぐ思い出させてやるよ。やっと見つけたんだ。なぁ、。ククッ」
男は不敵に笑い、街に消えていったーー