第11章 お花見:酒は飲んでものまれるな
俺は咄嗟に目をつぶった
が、いつまで経ってもリップ音は聞こえなかった
薄っすら目を開けて確認すると、は俺の膝に倒れ込み眠っていた
「ったく、んだよ。ちょっと期待したじゃねーか」
って期待って何のォォォォーーーーー⁉︎⁉︎
うっかり漏れた自分の言葉にツッコミを入れた
溜息をつき、気持ち良さうに眠るを見下ろした
「相変わらず綺麗な顔してんな。それに憎たらしいストレートの髪」
俺はのサラサラの髪をいじる
「そういえば、昔もこうしてよく昼寝してたっけなぁ」
遠い日の二人の思い出
今は俺一人の思い出になっちまったが
「………」
名前を呼びながら愛おしそうにその頬を撫でる
ヒヤリ
突然冷たい無機物が首筋に当たるのを感じた