第9章 お花見:志村妙
さっきの子たちは誰だったんだろう?
俺のこと知ってるみたいだったけど
「隣いいかしら?」
どうぞ、と少しスペースを空け声のした方を見た
べっぴんさんだし、品も良さそうな女性だ
「あなたが新しいヒロインかしら?でもヒロインの座は渡しませんよ」
なんだか笑顔なのにすごい迫力
ってか、へっ?今ヒロインって言った?
『ちょっと待って下さい‼︎俺がヒロインなんてありえませんから。だって俺男ですし』
「えっ‼︎男の方なんですか⁉︎いやだ、私ったら。真選組に可愛い子がいるって聞いたもんだからてっきり女の子かと。それにあなた女の子みたいに綺麗なんですもん」
『いやいや、俺なんてあなたのようなべっぴんさんの足元にも及びませんよ』
彼女は恥ずかしそうに頬を染め、もうやだわー、なんて言って俺の背中を叩いたが
バシン‼︎
『ぶへぇっ⁉︎』
あまりの痛さに涙目になってしまった
なんてパワーだ