第5章 真選組副長
の言葉に動揺して落とした煙草を拾い、新しい煙草に火をつけた
「しかし、アイツよく笑うようになったな」
総悟がアイツを拾ってきた当初は本当に人形のようだった
話しかければ応えはするが、瞳には正気がなく、整った顔立ちがより一層人形らしさを際立たせており、少々気味が悪かった
そんなに総悟は毎日ベッタリだったが、俺は距離をとっていた
そんなアイツを見兼ねた近藤さんは剣を教えることにした
「くんも稽古に参加してみないか?倒れていた時も刀を握りしめていたようだからもしかしたら剣を嗜んでいたのではないかと思ってな」
は近藤さんと脇に差した二本の刀を交互に見て、わかりました、と道場に入った
だが、刀を抜き構えた途端悲鳴をあげた
『うぅ…⁉︎あ、あたまが…痛いっ…‼︎』
「さん⁉︎」
「くん⁉︎」
頭を抱えうずくまったに側で見ていた総悟と向かい合っていた近藤さんがかけよった
どうやらこの刀はの過去に余程深い結びつきがあるのだろう
無理に思い出すとが壊れかねないと判断し刀から離すことに決めた
しかし、二本の刀だけは決して手放さなかった