第57章 最終節:第二十一訓
「ここまで来りゃ大丈夫でさぁ」
息を整えながら側のベンチに腰を下ろす
俺たちは総悟がいつも昼寝に使っている公園まで来ていた
まさかここでやるつもりじゃ……っ⁉︎
俺の顔から血の気が引く
『そ、総悟…?さっきのってさ、本気?じゃないよね?』
総悟の表情を読み取ろうと試みるが相変わらずのポーカーフェイスで何を考えいるのか全然わからない
不安そうな俺の表情を見てか総悟はプッと吹き出す
「冗談でさぁ。あれから二人きりになる機会がなかったんで、……ただ、さんと二人きりになりたかっただけでィ……」
最後の言葉は段々と小さくなり、決まりが悪そうに俯く総悟
か、可愛いんですケドォォォォォォォォォ
総悟の可愛さに頬が緩む
だが、さっきの可愛さは何処へいったのやら今度は意地の悪い笑みを浮かべる
「ま、さんがそのつもりなら俺はそれでも全然構いませんぜィ?」
『ななななななな何言ってんだよっ⁉︎⁉︎⁉︎』
総悟に翻弄され俺の顔は見る見るうちに真っ赤になる
「さん、こないだの続き………しやしょう?」
総悟の両手が俺の頬を包み込む
そして、ゆっくりと総悟の整った顔が近付いてくる
俺は総悟に身を任せるように目を閉じる
俺の心臓はバクバクと音を立てている
吐息がかかる程の距離まできた
その時