第53章 最終節:第十七訓
万事屋でシャワーと着替えを借りたのだが
『ねぇ、銀にぃってこの服しか持ってないの?』
銀にぃがいつも着ているそれに袖を通す
鏡に映る自分の姿に苦笑いする
銀にぃと同じ銀髪に真紅の瞳
だが、俺が着るとブカブカの為より一層貧相に見える
「いいじゃねぇか!コレが銀さんのアイデンティティなのっ!それに兄弟でペアルックとか可愛くね?」
『いや、どう考えてもキモイでしょ』
銀にぃはガーンという効果音がつきそうな顔で床に突っ伏した
「、ー。じゃあ私の服貸してあげるネ」
ニコニコと神楽ちゃんは可愛らしいチャイナ服を自分の箪笥から引っ張り出す
『いや、神楽ちゃん?気持ちは嬉しいんだけどさすがにそれは着れないわ……いろんな意味で…』
「いーんじゃねーの?チャイナ服!そっちの方が似合うんじゃね?」
復活した銀にぃはニヤリと口角をあげて笑う
『何言ってんのっ⁉︎バカなの?ねぇ、バカなのっ⁉︎』
ほらほらとスリットの入ったチャイナ服を押し付けてくる二人に困り果て、俺は新八くんに目で訴える