第48章 最終節:第十ニ訓
万事屋に戻ると出迎えてくれたのは意外な人物
依頼主、言蔵宗介だった
俺が急に出て行ったもんだから、律儀にもここで俺の帰りを待っていたらしい
「あの、姉上は見つかりましたでしょうか?」
「おぅ、ちゃーんと見つけて来てやったぜ」
ニッと笑顔を見せると言蔵宗介もホッとした様な顔を見せる
とりあえずリビングで話そうと促しリビングに入った
「銀ちゃん、依頼主ほっといてどこ行ってたアルかー⁉︎」
「またパチンコにでも行ってるのかと思ったらちゃんと仕事してたんですね、銀さん」
「うるっせーよ、テメェら‼︎俺だってやる時はやるっつーの!」
まぁまぁと言蔵宗介が俺たちの間に入る
しっかし似てねーよなぁ
いや、まぁ、後ろ姿は確かに総一郎くんソックリだよ?
髪も栗色だし?背格好も同じくらいだよ?
でも顔のクオリティが……
唇はタラコだし、目なんかのび太くんが眼鏡外した時みたいな目してるよこの子⁉︎
同じ遺伝子とは思えねぇよな
俺があんまりにもジロジロ見ていたので、言蔵宗介は不審に思い首を傾げた
「それで、あの、姉上はどこに?」
「あ、あぁ。今は真選組の女中として働いてるみたいだ」
「真選組⁉︎そんなまさかっ⁉︎ありえませんよっ‼︎」
言蔵宗介は驚きの余り立ち上がった
「何でありえねぇんだよ?」