第46章 最終節:第十訓
その時、迫り来る攘夷浪士達の中に紛れる双葉の姿を捉えた
何やってんだアイツ
咄嗟に体が反応し双葉の元へ駆け寄った
双葉も一直線に俺の胸に飛び込んできた
が、しかし
俺の脇腹辺りにドロリとした生温かいものを感じる
「私の大切な人を二人も奪った罰です。死をもって償ってください」
俺は流れ出る血を抑えながら片膝をつき何とか体を支える
「どう…いう…こと…でィ…?」
「あなたには取るに足りない命かもしれないけれど私にとってはかけがえの無い大切な家族だったのよ…私の夫は元攘夷志士だったわ。でも夫は幕府転覆なんて目論んでもいなくてただ悪い天人を懲らしめて回っていただけよ。それに弟もよくついて回っていたわ。そんな私たちは仲良く三人で暮らしていたの。でもある日、私が買い物から帰ると家は焼き払われ、夫と弟は血塗れで倒れていた。そして、そこにいたのは……返り血を浴びたあなただったのよ…」
双葉は冷ややかな目でこちらを見つめる
そうかあの時の……