第45章 最終節:第九訓
『で、用って何?』
銀にぃは俺とトシの間にドカッと座る
正直ホッとしている
あのまま銀にぃが来なかったらどうなっていたのだろうか…
トシのことは好きだけどやっぱり総悟に対する好きとは違う気がする
しかし、トシの瞳には有無をも言わせない力があるような気がする
その瞳に引き込まれ、息をするのさえ忘れてしまいそうになる
そして、その瞳からもトシの俺に対する思いが十分に伝わってくる
「まぁ用って程のことじゃねぇんだけど、聞きたいことがあってよ」
「テメェに教えることなんて何一つねぇ。さっさと帰れ」
「多串くんは黙ってろよ!テメェにゃ聞いてねぇんだよ!」
話が進まないので仕方なく仲裁に入る
本題に入ろうと銀にぃは懐から一枚の写真を取り出した
「今、こいつの弟だって奴から依頼受けててよ、この女を探してるんだが知らねぇか?」
『こ、この人は、…双葉さん⁉︎』
「やっぱりお前の知り合いか?なんでもこの女一年前に行方を眩ませてるみたいだ。それでその弟が万事屋に依頼にきたんだが、俺もこの写真見た時どっかで見た顔だと思ったら総一郎くんの姉ちゃんソックリじゃねーの?それでお前なら知ってんじゃねーかと思ってよ」