第44章 最終節:第八訓
襖が勢いよく開け放たれた
咄嗟に距離を取りお互い反対方向を向いて床に突っ伏す
あまりの不自然さに
「おたくら何やってんの?」
とマヌケ面した男が眉をひそめた
『ぎ、銀にぃ?』
「何でテメェがここにいんだよ⁉︎」
頭をボリボリかきながら俺との顔を交互に見る
「いやぁに用があって来たんだが……なになに?もしかしてお取り込み中だった?チューする寸前だったりしてー」
そのマヌケ面でニタァと笑いこちらを指差す
「なっ⁉︎テんメェ…わざとだろっ⁉︎絶対見てただろっ⁉︎殺すゾ⁉︎」
刀を抜きそのマヌケ面に刀を突きつける
『ぎぎぎぎぎ銀にぃ‼︎よ、用事って何かな⁉︎』
もはやゆでダコのように真っ赤な顔をしたが間に入り、その場は一先ず落ち着いたーー