第44章 最終節:第八訓
き、気まずい……
あれから自室に戻りと並んで仕事をしているのだが
空気が重い
はただ黙々と書類に筆を走らせてはいるが表情は暗いものだった
きっとさっきの総悟の言葉を気にしているのだろう
「、その、……このままでいいのか?」
は頭だけをこちらに向け、コテンと首を傾げる
『何が?』
「何がってお前、…総悟に自分の気持ち伝えなくていいのか?」
『うん。だって男同士のラブシーンなんて胸糞悪ぃって言ってたんだよ?俺の気持ちなんて伝えたら気持ち悪がられちゃうよ。それに、総悟を困らせたくないし』
の瞳に揺るぎはなかった
「だったら、……俺の気持ちに応えてくれねぇか?」
筆を置きに向き直る
もまた真剣に応えようと体をこちらに向けた
『でも俺は総悟のことがー』
「わかってる、……ずっと見てきたからな」
が言い終わる前にの言葉を遮った
俺の十年もの思いをたった一言で終わらせて欲しくなかったのだ