第42章 最終節:第六訓
「だったら…っ」
ダンッ
突如、目を抑えていた腕を床に抑えつけて覆いかぶさり、俺の目をジッと覗き込む
トシの表情は何だか苦しそうだった
「だったら…俺にしろよ!俺は、お前には笑っていて欲しいんだ。お前の事が大切だから……、俺はお前が好きだ」
『えっ…?ちょっ…』
トシの真剣な瞳に射抜かれ動けなくなる
その時
「こんな廊下のど真ん中で盛んねぇでくだせィ。邪魔でさぁ。士道不覚悟で切腹じゃねぇですかィ?」
総悟の声にトシはすぐに体を離し起きあがった
「総悟っ⁉︎テメェ…!」
一触即発の雰囲気を壊したのは総悟の背後から出てきた双葉さんだった
「まぁまぁ沖田さん。それを言ったら私たちだって…ねぇ」
双葉さんが頬を染める
そんな双葉さんに毒気を抜かれ総悟は俺たちの側を通り抜けた
「フンッ。男同士のラブシーンなんて胸糞悪りぃや。俺ァちょっと出てきますぜィ」
総悟と双葉さんは連れ添って行ってしまったーー