第80章 再生の道へ
「それにこれじゃ格好付かないしな。改めてちゃんと、俺の想いを南に伝えるから。…その時は、答えをくれるか」
「……それ、って…」
「言っただろ。なかったことにはしないって」
返事はくれなくていいと言った。
しかしそれは現時点での話。
いつかは南の口から、しかと答えを聞きたい。
「やっと伝えられたんだ。一方的じゃない。南の気持ちもちゃんと知りたい」
「…っ」
伝えられればいいと、それだけで充分だと止まっていたように思えたリーバーの想い。
しかしそれは南の思い過ごしだったらしい。
真っ直ぐに向けられた感情に、南の顔に熱が帯びる。
「は、い」
赤く染まった顔を隠すように俯いて、それでもはっきりと頷く南。
(だから、そういう反応するなって)
その返事にほっとしつつ、リーバーは声なく眉の端を下げて微笑んだ。
(変に期待してしまうだろ)
暗い顔などどこかへ消え去った、南の表情に心は奪われて。