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科学班の恋【D.Gray-man】

第80章 再生の道へ



「ごめんな。色々と振り回してしまって」

「ぃ、いえ───」

「それともう一つ。今から言うことについても先に謝っておく。悪い」

「え?」



また振り回してしまうかもしれない。
しかしもう退かないと決めたから。

初めてこの想いを自覚した、最初は戸惑いしかなかった。
ジジに背中を押された時も、上司と部下だからこそ安易に伝えられたものじゃないと足を止めていた。
それでも同じに想いを抱いたラビの存在は良い意味でも自分の背中を押し、科学班の職場以外での弱々しい南の姿を初めて知って、育っていった想い。

いつかはこの想いを伝えたいと、そう思えるようになった。
願わくば目の前の存在を、手に入れたいと思うようになった。
諦める恋ではなく、望む恋を。



「今は色々あり過ぎた。俺にも、南にも。その心を整理するにはまだ時間が必要だから。…だから、待つ」

「待つ、って…?」

「タップやマービンやハスキン達のこと」

「───っ」



ぴくりと、南の体が小刻みに一瞬震える。
その名をはっきりとリーバーの口から聞いたのは、彼らの死を目の当たりにして以来だった。
名前を聞くだけで思い出す、彼らの鮮明な姿。
それは脳内にこびり付いて離れはしない。



「俺もまだ完全には受け入れられていないから…あいつらの死を、ちゃんと受け止められたら。また伝えにくる」



曖昧な表現では表したくなかった。
"死"という言葉をはっきりと口にして、リーバーは真っ直ぐに南を見つめた。

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