第80章 再生の道へ
「あの、班長。でしたら…何処かで腰を落ち着けて、話でもしませんか?折角班長と会えたんですし。職場の状況を色々教えて下さい」
「ああいや、でもな。仕事の話は今の南には…」
「私が気になってるのでっ神田にも六幻の修理、早く済ませるって約束しましたし…っ」
体を気遣ってくれているのだろう。
当然のリーバーの反応に、しかし南は懸命に食い付いた。
少しの間でもいい。
やっと言葉を交えられたリーバーと共にいたい気持ちと、彼を休ませたいという思いが混じって、堪らず一歩踏み出す。
そこには先程まで感じていた、リーバーへの緊張など吹き飛んでいた。
彼は変わらず彼のままで。
変わらず仕事人間のまま。
皆が仕事のできる彼を頼るのだから、誰かが気付いて彼を休ませないと。
(いつか倒れてしまうかもしれない)
その生気の見えない顔色を見ていると、強ち冗談にも思えないから怖い。
「仕事の邪魔はしません。班長が大丈夫な範囲で構いませんから。少し、私に時間を下さい」
(班長の時間を、私に)
心の中でも切に乞う。
その気持ちが表情に出ていたのだろうか。
南の顔を見て、リーバーは目を丸くした。