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科学班の恋【D.Gray-man】

第16章 夕日に映る影



「うーん、なんだったっけ…あの歌、確か何処かで…」

「どうしたんですか、南さん。頭なんか抑えて」

「や、なんか変な歌が聞こえた気がして」

「えー…そういうのやめろってマジで。要らない要らない、そういうの」



南が急に歌声が聞こえたとか言い出した。
思わず速攻で首を横に振る。

そういうホラーあるある要らないから。
いやマジで。



「…もしかして南さん、霊感あるとか言い出しませんよね」

「そんなものない…って、何離れてんのアレン」

「いえ、なんでもないです。どうぞ続けて下さい」

「いや気になるから。って何ラビも離れてんの。何二人して、私を腫れ物みたいな目で見んのっ?」



南が怖いこと言うからだろ。
そういうのマジ嫌いなんさ。
ただでさえ雰囲気ありまくりな村なのに、便乗するなよ怖いだろ。



「ほら、歌声が聞こえるでしょ。子供の声で」

「うわ、子供とかマジやめろって!」

「南さん、それタチの悪い冗談です!」

「冗談じゃないし耳澄ませばちゃんと…!」

「あーあー!なんも聞こえねぇさ!」

「子供なんていないものを口にしないで下さい!」



「マザーグースの歌ですね」



「「「……え?」」」



怖いこと言う南をアレンと一緒に否定して騒ぎ立てていると、一人冷静な顔したトマがそう口にした。
思わず三人で動きを止めてトマを凝視する。

…マザーグース?



「歌声はちゃんと存在していますよ。そこに」



ほら、とトマが指差した先に、窓の外で数人で遊ぶ子供が見えた。






だれが駒鳥 殺したの♪

それはわたし と 雀が言った♪

わたしの矢羽に刃を添えて♪

わたしが駒鳥 殺したの♪






一人の子供を取り囲んで、周りを回りながら歌う複数の子供達。
こんな暗い村にも、ちゃんと子供はいるんさな…。

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