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科学班の恋【D.Gray-man】

第76章 終わりの始まり



「アラ。まだあんな小娘にお熱なの?バクったら」

「へー、ロリコンだね」

「ぅ、煩いぞ貴様ら!」


「もー、わかりましたから。そういうのは外でやって下さいって」



それでも一向に立ち去る気配のない支部長ズに、どうしたものかとつい目を向ける。
南とジョニーの説得でも帰らないようだったら、俺も行くか…。
そんなことを考えながら見守っていると。



「これはオレらの仕事なんすから~」



そう両手を前に突き出しながら宥める、ジョニーの小さな背中。
そこから急に飛び出してきた"それ"を俺は目にした。



出入口は此処から多少距離があったから、その貫く音もジョニーの悲鳴も何も俺には聞こえなかった。
それでも確かに"それ"は見えた。



「………ジョニー?」



ジョニーの背中を貫いている、赤黒い曲線を描く太い鞭のようなもの。
一瞬、意味がわからず思考が止まる。

あれは───…なんだ?






「そうだね、仕事だ。…───ワタシも、仕事だ」






驚いて固まったままの俺達の視線を浴びる中。
ジョニーの前に立っているアンドリュー支部長の姿が、変化していく。
男性の姿から、見慣れない女性の姿へと───



「な…っ」



見えたのは、浅黒い肌を持つ金色の目の女性だった。
瞬時に理解する。
あれはアジア支部への任務中、船の中で見たそれと同じ。

ノアの一族。



「はじめましょう」



高い女性特有の声を漏らしながら、腕を引き抜く。
同時にジョニーの背中を貫いていた鞭が引き抜かれて、その小柄な背中があっという間に崩れ落ちた。



「ジョニー!!」



タップの声。
同時にそのノアの背後から競り上がった謎の黒い壁が、出入口をあっという間に塞ぐ。
あまりに急なことに、声も出ない。



「私は変身能力を持つ"色"のノア、ルル=ベル。お前達とはすぐ"さよなら"なんだけれど、挨拶はちゃんとしなさいと主人は言うから」



淡々と告げるノアの声に、傍にいるバク支部長もレニー支部長も、驚きで固まって動けていない。
それは南も同じで…その姿にはっとした。

まずい…!

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