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科学班の恋【D.Gray-man】

第76章 終わりの始まり












───その日は、変わらず多忙な一日だった。
















「南達、遅いな」

「タップ達が一緒だからな。何処かで道草してんだろ」

「ああ、言えてる」



ケラケラと笑いながら会話するロブとマービンの会話に、つい眉間に力が入る。

今日は生成工場のAKUMAの卵の中身を開く日。
そんな大事な作業中に、道草たぁどういうことだ。
さっさと戻ってこい。



「ったく…オイ、あいつらに無線ゴーレムは持たせてんのか」

「あ、いえ…」

「おー…班長お怒りだな…」



振り返って二人に目を向ければ、苦笑混じりに首を横に振られる。

あいつらが運んでくる機材を設置しなけりゃ、作業は始められない。
南は仕事に真面目な奴だがジョニーとタップ相手となると同期だからか、多少甘くなる節がある。
あいつらに付き合って、道草でもしてんのか。



「班長ー、この書類なんスけど…」

「書類確認なんて後だ、今は持ち場につけ!」

「は、はいぃっ!」


「うわ…荒れてんな、リーバー班長」

「徹夜四日目だったしな、確か…」



場違いな仕事を持ってくる部下を追い返してると、ヒソヒソと後ろから聞こえるマービン達の会話。
思わずギロリと目を向ければ、二人は即座に視線を逸らして口を閉じた。

確かに徹夜は四日目だった気がする。
朝も昼も夜も構わず仕事漬け。
もうこのAKUMAの卵もいい加減見飽きた程。
マシな飯も最近食ってない。

ああクソ、カルシウム不足にでもなってんのか。
苛々する。



「………」



こういう徹夜続きで苛々した時は、大量のカフェインを取って気を紛らわせていた。
他にはコムイ室長に八つ当たりという名の仕事の支持を出したり。
…いや、あの巻き毛と関わると余計に苛々するだけだからな。
逆効果だった気がする。

他は───…






"お疲れ様です、リーバー班長"






……ああ。

苦笑混じりに労いの言葉をかけながら、コーヒーの入ったマグカップを渡してくる。
前に徹夜で二人だけになった時は、そんな南の姿を見て自然と落ち着いていた気がする。

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